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近年ではモニターの中に閉じ込められたVRアバター(VTuber)がテレビ番組や街頭サイネージに登場している様子を見かける事も多くなりましたが、本稿では逆バージョン、つまりリアルの人間をVR空間に呼び出してVRアバターと簡単に共演させる方法を解説します。なお、ZOOMとバーチャルキャストを併用しているため、プロ用の機材は一切不要です。
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本稿では2人のゲストがリアルで参加し、ホストはVRアバターで参加するケースについて解説をします。全体のシステム構成は上図の通りとなり、以下で「ゲスト側の設定」→「ホスト側の設定」の順で解説していきます。
【ゲスト側の設定】
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ゲスト側で必要なのは、ZOOMのビデオ会議に対応したスマートフォンやラップトップPCなどのデバイスのみです。人物の背景をクロマキー(緑色)にする必要があるため、現実世界で人物の背後に緑の布を設置するか、ZOOMの設定画面で「背景とフィルター」から「バーチャル背景」で緑の画像を選択しましょう。緑の画像はこちらからダウンロードできます。
なお、今回の設定ではホストPCの負荷を減らすため、ホストからゲストにZOOMの画面共有機能で合成後の画面を共有することはせず、ゲストはYouTubeやニコ生などの配信画面を見ながらトークをしています。この場合、配信画面は遅延が発生するため、ゲストは配信画面の音声をミュートにします。
【ホスト側の設定】
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ホスト側では、バーチャルキャストに対応したVR ReadyスペックのWindows 10 PCに、モニターを2台とバーチャルキャストに対応したVRデバイスを1セット接続します。対応デバイスは以下の公式ページを参照して下さい。
・バーチャルキャストのPC推奨スペック
・バーチャルキャストに対応したVRデバイス
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結果、1枚のグラフィクスカードにVRデバイスとモニター2台を接続することになるため、なるべく高スペックのグラフィクスカードを使用しましょう。今回はRTX2080にVIVE Pro Eye(DP)、メインモニター(HDMI)、サブモニター(USB-C)を接続しています。
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ホスト側ではゲストのビデオをそれぞれのモニターに割り当てる必要があるため、ZOOMの設定画面で「一般」から「デュアルモニターの使用」にチェックボックスを入れます。表示されない場合はZOOMを最新版にアップデートしましょう。
準備ができたら、2人のゲストとホストの間でZOOMビデオ通話を開始します。ホストはZOOMの通話画面でゲスト1の動画を右クリックし、表示されたメニューから「最初の画面にビデオをピン留め」を選択し、1つめのモニターにゲスト1を固定表示します。ゲスト2については「2番目の画面にピン留め」を選択肢、もう1つのモニターに固定表示させます。
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次にホスト側のPCでバーチャルキャストを起動し、最初の設定画面で「スタジオ」から「ディスプレイのクロマキーを有効にする」にチェックボックスを入れます。これでZOOMでクロマキー背景にした部分が透過され、人物部分だけがバーチャルキャスト内に表示されます。
バーチャルキャスト起動後、メニュー画面の「ディスプレイ」から2つのディスプレイを「視聴者に見せる」オプションで表示させます。これでリアルゲストをバーチャルキャストに呼び出す事ができます。後はYouTubeやニコ生などお好みの配信サービスで配信を行いましょう。
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上の画面では赤丸の部分がそれぞれディスプレイ1、ディスプレイ2になり、それぞれに割り当てられたZOOMのゲストが透過で表示されています。バーチャルキャスト内ではディスプレイを掴んで動かしたり拡大・縮小できるので、面白い放送画面を作ってみましょう。なお、放送時はZOOMの音声を放送に流すことをお忘れなく。
実際の放送の様子はこちら。
追記1:バーチャルキャストのスタジオにVRアバターで遊びにきたゲストは、ホストと同じ設定をすることでリアルゲストが映ったZOOM画面をスタジオ内で確認&操作することができます。
追記2:今回はバーチャルキャストの基本的な使い方に関する解説は割愛しています。詳しくはバーチャルキャストの公式サイトでご確認下さい。
追記3:筆者の環境では2つ目のディスプレイをバーチャルキャスト内で表示した瞬間に、高確率でバーチャルキャストがフリーズします。その場合は落ち着いてバーチャルキャストを再起動しましょう。その他のバーチャルキャストでのディスプレイ表示の仕様や、ディスプレイの中身が表示されない不具合についてはリンク先をご参考下さい。
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近年ではモニターの中に閉じ込められたVRアバター(VTuber)がテレビ番組や街頭サイネージに登場している様子を見かける事も多くなりましたが、本稿では逆バージョン、つまりリアルの人間をVR空間に呼び出してVRアバターと簡単に共演させる方法を解説します。なお、ZOOMとバーチャルキャストを併用しているため、プロ用の機材は一切不要です。
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本稿では2人のゲストがリアルで参加し、ホストはVRアバターで参加するケースについて解説をします。全体のシステム構成は上図の通りとなり、以下で「ゲスト側の設定」→「ホスト側の設定」の順で解説していきます。
【ゲスト側の設定】
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ゲスト側で必要なのは、ZOOMのビデオ会議に対応したスマートフォンやラップトップPCなどのデバイスのみです。人物の背景をクロマキー(緑色)にする必要があるため、現実世界で人物の背後に緑の布を設置するか、ZOOMの設定画面で「背景とフィルター」から「バーチャル背景」で緑の画像を選択しましょう。緑の画像はこちらからダウンロードできます。
なお、今回の設定ではホストPCの負荷を減らすため、ホストからゲストにZOOMの画面共有機能で合成後の画面を共有することはせず、ゲストはYouTubeやニコ生などの配信画面を見ながらトークをしています。この場合、配信画面は遅延が発生するため、ゲストは配信画面の音声をミュートにします。
【ホスト側の設定】
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ホスト側では、バーチャルキャストに対応したVR ReadyスペックのWindows 10 PCに、モニターを2台とバーチャルキャストに対応したVRデバイスを1セット接続します。対応デバイスは以下の公式ページを参照して下さい。
・バーチャルキャストのPC推奨スペック
・バーチャルキャストに対応したVRデバイス
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結果、1枚のグラフィクスカードにVRデバイスとモニター2台を接続することになるため、なるべく高スペックのグラフィクスカードを使用しましょう。今回はRTX2080にVIVE Pro Eye(DP)、メインモニター(HDMI)、サブモニター(USB-C)を接続しています。
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ホスト側ではゲストのビデオをそれぞれのモニターに割り当てる必要があるため、ZOOMの設定画面で「一般」から「デュアルモニターの使用」にチェックボックスを入れます。表示されない場合はZOOMを最新版にアップデートしましょう。
準備ができたら、2人のゲストとホストの間でZOOMビデオ通話を開始します。ホストはZOOMの通話画面でゲスト1の動画を右クリックし、表示されたメニューから「最初の画面にビデオをピン留め」を選択し、1つめのモニターにゲスト1を固定表示します。ゲスト2については「2番目の画面にピン留め」を選択肢、もう1つのモニターに固定表示させます。
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次にホスト側のPCでバーチャルキャストを起動し、最初の設定画面で「スタジオ」から「ディスプレイのクロマキーを有効にする」にチェックボックスを入れます。これでZOOMでクロマキー背景にした部分が透過され、人物部分だけがバーチャルキャスト内に表示されます。
バーチャルキャスト起動後、メニュー画面の「ディスプレイ」から2つのディスプレイを「視聴者に見せる」オプションで表示させます。これでリアルゲストをバーチャルキャストに呼び出す事ができます。後はYouTubeやニコ生などお好みの配信サービスで配信を行いましょう。
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上の画面では赤丸の部分がそれぞれディスプレイ1、ディスプレイ2になり、それぞれに割り当てられたZOOMのゲストが透過で表示されています。バーチャルキャスト内ではディスプレイを掴んで動かしたり拡大・縮小できるので、面白い放送画面を作ってみましょう。なお、放送時はZOOMの音声を放送に流すことをお忘れなく。
実際の放送の様子はこちら。
追記1:バーチャルキャストのスタジオにVRアバターで遊びにきたゲストは、ホストと同じ設定をすることでリアルゲストが映ったZOOM画面をスタジオ内で確認&操作することができます。
追記2:今回はバーチャルキャストの基本的な使い方に関する解説は割愛しています。詳しくはバーチャルキャストの公式サイトでご確認下さい。
追記3:筆者の環境では2つ目のディスプレイをバーチャルキャスト内で表示した瞬間に、高確率でバーチャルキャストがフリーズします。その場合は落ち着いてバーチャルキャストを再起動しましょう。その他のバーチャルキャストでのディスプレイ表示の仕様や、ディスプレイの中身が表示されない不具合についてはリンク先をご参考下さい。